
『おおかみこどもの雨と雪』は、"おおかみおとこ"と人間との間に生まれた二人の≪おおかみこども≫が、自然豊かな田舎町で様々な人や獣と出会い、時には楽しく元気に、時には悩み傷つきながら、「自分の世界」を見つけ出すまでを描く作品です。
二人は、成長するにつれ、大きな岐路にたたされます。姉の雪は、≪おおかみこども≫であることを隠し、普通の女の子として生きようと決意します。しかし小学四年生になり転校生の草平に出会った時に、自分でも説明のつかない衝動にかられて"おおかみ"に変身し、草平を傷付けてしまいます。
一方弟の雨は、小さい頃は病弱で気弱でしたが、川に落ちておぼれかけた事件をきっかけに、自分の中の"おおかみ"の血に目覚めます。雨は、新しい世界、人間が知っているモノとはまったく違う「本物の自然」への興味にかられるようになるのです。
「人間とおおかみ、どちらの生き方も選べるようにしてあげたい」と育ててきた母親の花は、二人の子供との別れが迫っていることを感じます。「まだ、何もしてあげてないのに。」花もまた大きな選択を迫られます。

