イントロダクション

全世界待望の細田守監督最新作! またしても、あらゆる世代を魅了する作品が誕生した!

2006年『時をかける少女』で、人生のある瞬間にだけ訪れる煌めくような青春の断片を活写。
2009年『サマーウォーズ』で、人と人との絆が生み出す力が世界の危機を救う奇跡の物語を描き、国内外の映画賞を席巻。今や世界で最も注目を集めるアニメーション映画監督となった細田守だが、なぜ細田作品は幅広い世代を魅了するのか?細田作品は、大袈裟な物語ではなく、格好良いヒーローが描かれるわけでもない。実際にありそうな町で、実際にいそうな人々に囲まれ、主人公が少しだけ特別な状況に悩み、あがき、努力する。そんな等身大の物語が、じっくりと練られたシナリオを基に、躍動感ある映像で描かれている。だから私たちは主人公を身近な存在として捉えて強く共感し、彼らの活躍に手に汗握るのだ。ファンタジックなのにリアル。それこそが細田作品の魅力。その持ち味は、最新作『おおかみこどもの雨と雪』でも存分に発揮されている。

今作で細田監督が描いたのは、「1人の女性が、恋愛・結婚・出産・子育てを通じて成長する姿」と「その子供たちが、誕生から自分の生きる道を見つけて自立する過程」。それは、およそ2時間の映画で13年間という「時間」を丸ごと描き出すという、アニメーションだからこそ実現可能な試みだ。その中で人生の様々な局面において、親として、あるいは子として、どのような選択をするのか。そんな誰しもが直面するリアルで普遍的なテーマを、"おおかみおとこ"と人間の間に生まれる≪おおかみこども≫というファンタジックな設定を用いて描く。またしても細田監督の真骨頂が発揮され、『おおかみこどもの雨と雪』は誰もが楽しめるエンターテインメント作品として完成した!

"おおかみおとこ"とのおとぎ話のような恋をきっかけに、2人の≪おおかみこども≫の母となる主人公・花を宮﨑あおい。数奇な運命を受け入れ、花と子供たちを優しく見守り続ける"おおかみおとこ"を大沢たかおが演じる。日本映画界を代表する2人だが、意外にも今作が初共演。しかも共に細田作品初参加だったが、アフレコ初日に細田監督をして「ここまで約3年の制作期間。今日やっと、花と"おおかみおとこ"に会えた」と言わしめた。その他、田舎に移り住んだ花に厳しい自然の中での農作業を手ほどきする老爺・韮崎を演じる菅原文太をはじめ、アニメ/実写の垣根を越えた豪華なキャスティングが実現した。
また、脚本に『八日目の蟬』で第35回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した奥寺佐渡子。キャラクターデザインに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズでも人気の貞本義行と、『時をかける少女』『サマーウォーズ』に引き続き細田作品常連のメンバーが再集結。音楽は、音楽家としてだけではなく映像作家としても世界的な注目を集める高木正勝。主題歌を歌うのは、医師として働きながら音楽活動を続け、2児の母でもあるシンガーソングライターのアン・サリーといった異色の取り合わせ。さらに『おおかみこどもの雨と雪』の制作にあたって、アニメーションスタジオ【スタジオ地図】を設立。アニメーションの新たな可能性を追求し続ける細田作品が、またしても前人未踏の領域に挑む!!